棺に入れるもの
筑紫哲也さんが亡くなり、一時、ジャーナリズムを勉強していた者としては、キュンとなる思いだ。ひとりよがりになっていない話の仕方がステキだった。
彼の葬式の際、奥さんが、棺にタバコを入れなかったと報道されている。そうなのか。
私は逆だった。私の父は酒が原因で寿命を縮めたけど、棺には、紙パックの小さい日本酒を、葬儀屋さんがいいというぎりぎりの量(といっても、4~5つくらい。火葬場で、あれこれうるさいそうだ)を入れた。本人が好きだったから、もっと入れたかった。
葬儀屋さんのスタッフの女性に、同様に酒が原因でご主人を亡くした方がいて、その方がきっぱりと、「いまも仏壇にお酒はあげないんです」と言っていたことを思い出す。それを聞いたとき、自分の逆の考え方なのだなあとはっとしたのを思い出した。
私は甘いのかなあ。意思が弱いのかなあ。死んでしまったら終わりだとわかりつつ、好きなものを止めさせることに関しては、あまり強い気持ちで言えない。本人が本当に止めたいとがんばっているのなら協力するだろうが。いまも、母と、「止めなさいってもっと早く言っても、きっと止めなかったよね」と時折話をする。実際、母は、ずっと言っていたし。
棺には、本人の生前に好きだったものをあれこれ入れたけど、ホントは、もっと違うものを入れて欲しかったかも知れないと、いまも思う。コミュニケーションがとれていなかったことがとても悔やまれる。
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