無料ブログはココログ

« 車で高校に通学3週間 | トップページ | 身近な鳥たち »

2012年3月12日 (月)

ようやく読めた

ずっと気になっていたけれど、読む勇気がなかった本をようやく読むことができた。

「なぜ君は絶望と闘えたのか」だ。先日の結審を機に、いま読まなかったら後悔するという思いで思い切って手に取った。読み始めたら早いもので、2日で読了。

辛い事実と裁判と、人間の言葉、事実を淡々と語る内容。著者は被害者側というのは常に感じたけれど、感情的な表現を抑えている感があり、冷静に読めたと思う。

タイトル通り、なぜ、被害者夫である本村氏は心が折れず、若いにもかかわらずきちんと冷静に正当な主張ができたのかが、私も知りたかった。

彼自身のまっすぐさ、気性というものが核にあるということが前提だが、彼を取り巻く周囲の人たちが、それらに惹きつけられ、それぞれが正義感を発揮し、正義感のリレーで大きな力を生み出し、最終的に世論を動かし、法律を変え、裁判も死刑という結果を得たように感じた。会社の上司、検察、被害者友の会、時の総理(小泉氏)… その人たちが、それぞれの立場でやれることを精一杯やることの積み重ねだったと思う。

印象に残った数々の言葉。

会社を辞めようとした本村氏に対しての会社の上司の言葉。

『この職場で働くのが嫌なのであれば、辞めても良い。君は特別な経験をした。社会に対して訴えたいこともあるだろう。でも君は社会人として発言して、いってくれ。労働も納税もしない人間が社会に訴えても、それはただの負け犬の遠吠えだ。君は、社会人たりなさい。』

一審判決後の記者会見での本村氏。

「早く被告を社会に出して、私の手の届くところに置いてほしい。私がこの手で殺します」。

担当検事の一審の判決後の言葉。

「このまま判決を認めたら、今後はこれが基準になってしまう。そんなことは許されない。たとえ上司が反対しても私は控訴する。百回負けても百一回目をやります。これはやらなければならない。本村さん、司法を変えるために一緒に闘ってくれませんか」

一審後の、ニュースステーション出演の際本村さんの発言。

「事実が伝わらなければ、どれだけ事件が悲惨だったかわかりません、どれだけ犯人が酷いことをしたかということが伝わらなければ、妻と娘は浮かばれないと、私は思いました。天国の二人は、ほんとは言わないで欲しいと思っているかもしれない。でも、私が天国に行った時に、一生懸命謝るんで、私の事件に関しては、あったことは全て事実として報道してもらいたいと思っています。それこそが、二人が浮かばれることだと、私は信じています」

そして、死刑判決後、著者が死刑囚となった男に面会に行ったときの男の言葉。

「僕は家族を持ったことがありません。父親と言う立場になったこともありません。“家族”というものを構築したことがありません。でも、僕がやったことの大きさはわかるようになりました…」

そして、結審した後のインタビューの本村氏の言葉。

「勝者なんていない。犯罪が起こった時点で、みんな敗者なんだと思う」と。

本村氏に関わる人たちが、夫として親として、社会人として、そして人間としてのごく当たり前の正義を貫き、その気持ちをリレーして本村氏を援護し、社会を変えていくうねりを生み出したことに、強く強く感動している。そしてその根源的な力を生み出した本村氏にも。

ごく当たり前の正義を貫くのは、大人になるほどに大変だ。自分にはなかなかできないでいる。

« 車で高校に通学3週間 | トップページ | 身近な鳥たち »

料理系日記・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/203296/54151134

この記事へのトラックバック一覧です: ようやく読めた:

« 車で高校に通学3週間 | トップページ | 身近な鳥たち »

最近のトラックバック

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31