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2012年11月27日 (火)

重苦しいもの

年末が近づき、寒さが体にしみてくると、暗いニュースが本当につらく感じてくる。

手打ちそばの指導をしている方と最近一緒に仕事をしていて、ここ数年、特にリーマンショック以降の手打ちそば店の不振ぶりを聞くと胸が痛んでくる。

10年ほど前、あれほど、全国に手打ちそば店のブームが広がり、昼食でも2000円くらいかかっても仕方ないという雰囲気だったのに、いまや、我々消費者の感覚は、昼食は500円、夜は一人1000円前後でおなかいっぱいを望むのが普通だろう。もし一人2000円出すなら、すし店か焼肉店を選ぶだろう。そういえば我が家も、子供が育ちざかりになって以降、そば店に行ってない。おなかいっぱいになるまで食べられたら、恐ろしいことになってしまうからだ。

そば一枚を600円、800円などで売っていた手打ちそば店が、いま必死に単価を落としている他業種の食べ物屋に対抗できるはずがない。しかもいい時代を体験しているからこそ、当時と現在の落差は余計に大きいだろう。しかし、材料や人件費を見直せば、もう、手打ちそばというもの自体、存在が危うくなってしまうレベルだ。

特に、30代で子供があるそば店主が、潔く手打ちそば店から安定したサラリーマンにリクルートしているという。夫婦2人で休みも最低限にして働いてようやく月に30万。子供を育てられないという。子供のない夫婦や、子供が巣立った夫婦などは、最低限が稼げればという発想で商売を続けているのだとか。もう、そば打ちというものも、技術や文化として保護してもらわなくてはいけないのだろうか。

たぶん、10年前の、あの手打ちそばブームは、恐らくしばらくやってこないだろう。だけど、昭和の初めに、国の政策で、手打ちは不衛生だからそばは機械で打つよう強制させられた時代があったのだという。そのとき、手打ちそばの技術は、途切れる寸前まで行っていたのだろうと思う。そこを、復活させたり興味を持って再生させた人たちがいたのは事実。そうして現在に至っている。

しょせん食べ物、でも文化。その担い手の一人として、より正確な内容の本を作りたいと、自然に力が入ってくる。

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