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2013年6月19日 (水)

振り込め詐欺に思うこと

つねづね思っているテーマだ。なぜ、引っかかってしまうのか。どういう精神状態なんだろうと。

大金を渡すにしても、親子であっても通常なら、直接会ってお願いしたり、数日間の猶予を持たせるものだ。それがおかしいと判断できないのはなぜなんだろう。

撃退法や注意点をTVなどで見ていると、疑えとか、子供に電話をして確かめる、相談するなどアドバイスがあるけれど、先に思い込んでしまうから疑うことも確認することもできないわけで、ちっとも根本的な対策になっていないと感じる。

聞くほどに不安になってくる、どうしたら、疑えるのか、いったん電話を切って確認するという状況になるのか。悩ましい。いざというとき、自分もきっとオロオロするだろう。

マスコミでは、被害に遭った人の数や被害額の数字を公表しているけれど、私が興味があるのは、被害に遭わなかった人たちと被害に遭った人たちの違いだ。

何が違うのだろう。お金があるない? 疑り深いのか深くないのか? それとも、ただの運なのだろうか? 

いろいろと実例を調べてみると、思うことがある。

・50歳代女性方に、息子を装った者から「今日、会社に監査が入る。監査前にお金を戻せば何とかなる。宅急便が家に向かう。」

・60歳代女性方に、息子を装った者から「電車の中で鞄をなくした」との連絡。その後、信用させるために、駅員役、会社の上司役など複数の者が電話をかけ、現金700万円を騙し取ろうとした。

・60歳代女性方に、息子を装った者から「子どもができちゃった。相手は旦那さんがいる人で、旦那さんが怒っている。弁護士に入ってもらった。お金を送って欲しい。」

・離れている息子から「携帯買い替えて番号が変わったんだ…新しい電話番号を控えといてよ」との連絡。その番号から数日後、再度の電話。「アルバイトで浄水器の販売をしてたんだけど、失敗の穴埋めするために会社の金を使いこんじゃって…。 会社の上司が立て替えてくれたんだけど、早く返さないと会社をクビになっちゃうから98万円(96~100万円のこともある)振り込んで!」

・息子から久しぶりの電話。懐かしいと思うのもつかの間、おびえた声で「友だちの保証人になったらその友だちがいなくなってしまった。 このままだと取り立て屋に何をされるか分からない、すぐに金を振り込んでほしい。」と懇願された母親

・60歳代女性方に息子を装って現金200万円を騙し取ろうと、数回にわたり電話をかけた。「友人が起業するにあたって連帯保証人となった。その会社が業績悪化のため友人は夜逃げし、金が必要になった。」

どれもが、普通なら、「自分で何とかしなさい」「自分で責任を取りなさい」と言えば済むことだ。それなのに、お金で解決することに加担してしまっている。

イザとなると、そうした常識的な判断力がなくなり、少しでも苦痛で不安な状況から抜け出したくなるということだろうか。未知の恐怖に巻き込まれそうなとき、お金でもなんでもその恐怖から抜け出せる手段があればすがってしまうから、だまされてしまうのだろうか。

でも、そこには、共通の弱さがあるような気がする。

そもそも、日本人は断るとか疑うとかいうのが苦手だと思う。集団の中で、自分だけ反対するのにはとても勇気とエネルギーが要り、ストレスがかかる。関わりたくないと思う。ことを荒立てたくないといったメンツのようなものを持っている。

それに加え、普通の人は、だまされるような経験はあまりない。自分に関係ない、自分がだまされるほど馬鹿ではないと思うだろう。でも、時代が変わってきている。働かず、人の金を卑怯な手段で奪って、平気で生活していこうという人間が、あとを絶たないのがいまの日本の現実のひとつなのだ。

さらに、警察や弁護士、解雇、示談だの言われると、ビビッてしまう。幸が不幸か免疫がない。性善説で生きてこられた、治安のよい社会が災いしているかのようだ。

これらを逆に言えば、ノーと言える自分であること、人にどう思われようと、問題の表面化を恐れないこと、自分もだまされるかもと警戒心を持つこと、自分の周囲に詐欺師はうようよしていると自戒すること、弁護士や警察、解雇、示談を恐れないこと、ファイナンスの知識を持つことなどとなるだろうか。カンタンにはなれないと思うが。

これとは別に、半分だまされかけているのに、撃退できている例も興味深い。

尋ねてみると、びっくりするほど、多くの人が実際に振り込め詐欺の電話を受けており、私の周囲の高齢者は、ほとんどの人に電話がかかっていると言っても過言ではない状態だ。そして半分以上は、被害に遭っていないと思う。そういう人をサンプルに、もっと根本的なものをみつけ出して、被害に遭う人そのものにつけこまれる弱点があると自覚させるような対策の方が有効のように思える。

私の母にも当然、息子(私の弟)をネタに電話が掛かって来ており、無事に切り抜けているが、その内容にびっくりさせられた。

1回目は、「オレ、オレ」と掛かってきて、「どちらのオレ様ですか?」と対応したら相手が切ったとのこと。オレという名前かと本当に思ったそうだ。(私には信じられないが)

2回目は、「お宅の息子さんが怪我をして」と交通事故を装った内容の電話が掛かってきて、それを聞いた母は、動転して、「M、M、Mを出して!!!!!!」「Mを電話に出して!!!」と叫び続けたそうだ。電話の内容を信じたのだと言う。そしたら相手が諦めたのか、電話を切り、結果として撃退。

この話を聞いたとき、半分だまされているのに、なぜ撃退となったのかが最初わからなかった。でもいまは少しわかるような気がする。心配ならば、相手が何と言おうと、まず、息子と直接会いたいという気持ちを前面に出すべきだからだ。それをきちんとすると、相手が引くらしい。

さらなるツワモノもいる。仕事でつきあいのある70代の男性だが、とにかく電話で話を引き伸ばす。セールスも、詐欺まがいの電話も、私からの取材の電話も、まるで人と話したくて仕方なかったとでもいうように、よくよく話を聞く。そして突っ込む。普通の人は電話を手短に済ませようとするのに、彼の場合、どんな内容であれ、電話を楽しむ人である。彼曰く、「電話代は相手持ちだしせっかく掛けてくれたから」だそうな。結果として相手の話にボロが出て撃退している。

いざというときに人間の本性や鍛え方や経験が出る。治安のよいこの国にいることをありがたく思いつつも、トンでもないヤツラの餌食にならないために、自分を守るのは自分。まず自己鍛錬ありきのようだ。

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