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2013年8月11日 (日)

夏休みの家族旅行 能登へ

息子高3、娘中3、恐らく、家族揃っての旅行は最後ではないかと思われる、二泊三日の旅行に行ってきました。

能登半島の景色に感動したという夫、金沢の兼六園に行ってみたいという娘、輪島塗の産地に行ってみたい私の意見を合わせてルートを決定。

深夜に神奈川西部の自宅を出発し、1日目には富山経由で輪島到着、輪島泊、二日目は輪島散策をして金沢へ移動、そして金沢泊、三日目は金沢を散策し、午後帰路へというプラン。全工程1200キロのちょっとハードな車旅です。しかもケチケチ旅なので高速はほとんど使わず。

一般道での車中泊は揺れがひどく、乗り心地が悪い中、気付けば朝7時。すでに富山市内。ドライバーの世話は、息子がやってくれて、私はひたすらただの荷物として運ばれました。

朝食をマックで取り、接客の店員さんの富山弁に触れ、もうココロは北陸。

その後、富山城址公園や佐藤記念美術館を散策。

美術館では、敦賀市立博物館コレクションを開催中で、円山応挙、長沢芦雪、冷泉為恭などの大和絵を展示。真似しようのない細かい筆使いの、猿や鷹が特に印象に残りました。

二階には、富山県砺波市出身の茶人、佐藤助九郎氏の茶室と生家が移築されています。中でも茶室は、柱は細く、天井は低く、これまで見た中ではとても瀟洒な造りのものでした。柱も壁ももたれかかったら壊れてしまいそうで、粗末というのではなく、繊細なのです。いまという時間、一期一会の機会という思いを茶室そのものが伝えているようでした。

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昼は富山のブラックラーメンなるものを食べてワオ

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(食べログの写真をお借りしました)

労働者向けの食事としての歴史があるラーメンだそうで、白飯に合うよう味が濃くなったんだとか。全体的に味が濃かったですが、スープ、チャーシュー、麺はそれぞれおいしかった! 厚めのネギも納得。

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ラーメンのカルチュアショックを楽しみ、一路、輪島へ。

私にとって初めてだった能登半島は、予想したことがない風景にあふれていました。日本海、ひたすら続く水田、赤茶けた道路、黒い瓦屋根が並ぶ家並み。

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(「能登の里山里海」世界農業遺産活用実行委員会さんのホームページよりお借りしました)

もっと、うら寂しげな雰囲気を予想していたけれどまるで違う。コンビニはない、ショッピングセンターはみかけず、交通量もほとんどないような道路。それだけならただ田舎ということですが、庭先や玄関をきれいに整えたゆったりした家々や、休耕田の気配を感じない田んぼ、しかも手入れが行き届いた状態で整然と目の前に広がっている様子は、自然と豊かに共存している姿がありました。

加賀百万石は、こういう土地が支えていたんだな…

この地だって、高齢化や少子化の影響がないはずはありません。でも、人間がきちんと働き、丁寧に暮らしている様子が風景から伝わってくる。実直な人柄を感じます。

七尾を経由して輪島到着。輪島駅はさぞかしメインの場所…と思ったら、2001年に廃駅となり、道の駅となっていました。そんなことが!と、やはり、ニュースで聞くのと実際に見るのとでは、ショックが違う。こじんまりして、少し寂しい…

ビジネスホテルに入る前に、ビールを調達と思い検索をすると、最も近いセブンイレブンが30㌔先。輪島は、サークルKとファミリーマートが主力で、セブンイレブンやローソンはほとんど見かけません。コンビニの出店というのは、地域により、かなり偏りがあるのですな。

夜は、宿近くのとんかつがメインの和食店彩花亭へ。通りの人の少なさやお客の少なさがちょっと不安になりましたが、行ってみて大満足。その地ならではのものを食べたいと思って注文した刺身には、アゴ(飛び魚)、赤イカ、ガンド(小型のブリ)、甘エビなど、能登らしい魚が盛りだくさん。質問にも答えていただき、おいしく楽しく過ごしました。

翌日は、朝市と輪島塗の工房見学。

朝市では、地元のお店の人々から輪島の気候のことを聞きました。海辺なのであまり雪は降らないのではと思っていたら、少しずつ積もり、年に2回くらい除雪車を呼ぶそう。道が凍るので、雪かきは毎日。夏は夏で、厳しい熱風と湿度にノックダウンしそうでした。なかなか厳しい気候です。

朝市の次は、工房長屋と呼ばれる、輪島塗の職人さんたちが観光客のために仕事を見せてくれる場所へ。職人さんと直接話もできるのです。

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ちょうど器の本の仕事の直後で、わずかながらも知識があったため、輪島塗について、興味があったことや確認したかったことを、片っ端から質問してしまいました。素人ゆえの幼稚であろう質問に、ちっともいやな顔をせず、多くのエピソードを交えながら楽しく説明してもらい、あっという間に1時間経過。待っている家族がイヤそうな顔…

平日ということもあったのでしょうが、時間を気にせずゆったりと丁寧な応対していただき、とても贅沢な時間を過ごしました。

聞けば聞くほど、輪島塗の工程の多さ、丁寧さに驚きます。細かく分けると、100~130もの工程があると言います。すべての工程を経て仕上げたものは、1工程100円としても1万円以上。そんなはずはないから、1つが少なくとも数万円してもおかしくありません。いったい時給はいくらなのだろう…

木地に使うのは、ケヤキとアテという木。アテをしらべたら、档と書き、石川県の県木。アスナロの変種であるヒノキアスナロの方言なのだそうです。石川県にはヒノキアスナロの自然林があり、 能登地方を中心に広く植林されているそう。

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工房の脇には漆の苗木。いま国産漆は大変高価で、かなり高価な器でなければ使っていないそうです。ああ、国産ってますます切なくなる。

下は、工房で配っていた資料。私が話をした塗師の方は、ここにある24の工程の中の、3から21までを一人で行うそうです。

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木地を作る仕事は、最初の時期はろくろを回しているときにうっかりと釘や木地が顔に飛び、歯を折ったり顔が腫れたりということもあるとか。それがいやだから自分は塗師を選んだという話を、冗談か本気かわからないけれど、塗師さんからうかがいました。

人気があるのは、最終工程を担当する蒔絵師とか。でも、そこにバトンタッチするまでに、こんなにもたくさんの手をかけるんだなと、工房のたくさんの道具類を見て実感が湧いてきました。

木地の乾燥に5~10年、1つの器を仕上げるには2~3年掛かるというのは、本当のことでした。

仕事で、輪島塗の内容を机上で調べて原稿を書きながら、工程の多さ、どうしてそこまでやるのか、作業の意味がなかなか実感できなかったのですが、実際の作業や道具を見て、そして職人さんと話をして、あれだけの手間をかけ、あの芸術品のような食器を、人間が手作業でリレーしながら作っているのだと実感できるようになってきました。それには、輪島の気候や、人々の実直な気質が必要なことも。

だから田んぼもあんなにきれいに整っているんだと、勝手に解釈。

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工房の前野さん山田さん、お忙しいのに丁寧なお話、本当にありがとうございました。

どうしてそこまでやるのかと思うような丁寧な仕事、気負いのないおだやかな気質、そこから生まれるかけがえのない美しい道具や器を、もっと多くの人に知ってもらいたい!!価値を再認識してもらいたい!!NHKの連ドラ、輪島塗を舞台にした話って企画、どうかしら

いろいろと話を聞きながら、自分は地元の人と話したり、職人さんたちの話を聞くことがけっこう好きなんだなと、本作りを仕事とする自分の気持ちも、ふと思い出しました。

若干の不満は、多くの輪島塗の商品を並べる店の品が、料理屋や旅館以外の、普通の生活に即したものが少ないことです。蓋付きのお椀は、一年でいったい何回使うのか。お正月だけ?かな。ウチは…

例えば、から揚げとかサラダ、スープ、パスタを盛るのに合うといったコンセプトも挑戦して欲しい。いろいろなお店や工房で、見るならすばらしいと思う輪島塗の食器をたくさん手に取ったけれど、これなら我家でも使えると思ったものは、サラダボウルや蓋のない椀を揃える、吉田漆器工房さんの器類でした。

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文様はなく、加飾もなし。でも器の質感が美しく、彩りのよいサラダや普通のお惣菜を盛りたくなる。普段の食事にすっとなじむ器になっていると思うのです。

伝統を受け継ぎ、丁寧な仕事を実直にしている職人さんたちにはとても勝手な意見だとは思いますが、輪島の器は、もともと、生活の道具として発展した歴史があります。いまの生活に合う、もっと生活の中で使われるものを増やして欲しいなぁ。丈夫なのだから、カフェやレストランでもきっと使われると思う。

国外の輸出用が伸びていると聞いても、欧州では漆がすぐ傷んでしまうし、恐らく使われずに飾られているのでは… 

そんな思いを抱きながら、さらに能登半島を進み、金沢に向かいました。

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金沢では、これまた楽しみにしていた寿司店へ。と言っても回転ずし。もりもり寿司という金沢を中心に店舗展開するお店です。

価格は均一ではなく、幅が広く、126円から、2000円以上の皿まで8種類ほどありました。注文した中心価格帯は、300~500円台だったかな。すし飯は小ぶりです。

がす海老、オトナは白バイ貝、ノドグロ、白海老、赤イカといった北陸ならではのものを、コドモはマグロと中心としたものを、絶えることなく注文用のタッチパネルに打ち込み、必死に食べてしまいました。タチの寿司店のようにはいきませんが、一人2000~3000円で楽しむには、私には納得のお店でした。

最終日は、兼六園と21世紀美術館へ。

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現代美術はムツカシくて理解できなかったけれど、おみやげはクオリティが高く、理解しやすかった。これらは自分用。

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帰りは、富山、岐阜、長野、山梨を経由し、途中食べ物を自分達用のみやげとしながら、神奈川を目指しました。

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金沢のスーパーで買った越中味噌(富山のもの)。

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南砺市(富山県)の道の駅で買った、プリンスメロンと甘ウリ。

輪島では氷見うどんや黒豆のお菓子を買い、振り返ると、富山産のものばかりを買っておりました。富山を丁寧に尋ねなくては!

さてさて、最終日の食事は、甲府で「ステーキ 宮」。名古屋に本部を置く、ステーキレストランです。実は、これまでランチは行ったことがあったけど、夕食は行ったことがなかったので、喜びいさんで…とはいかず、疲れであまり食べられませんでした。せっかくのお料理を、家族に分けました。車に弱いのは、とても損です。

こうして時系列にまとめると、やはり思い入れが強いのは輪島です。普段の生活とは違う土地柄を感じ、オリジナリティを感じ、家族で、輪島がとてもよかったねぇという余韻に楽しく浸っています。

最後になりますが、今回の旅のテーマを与えてくれたホームページをメモしておきます。これは、輪島市の小学生が、平成6年のときに夏休みの自由研究として家業の輪島塗を紹介したもの。タイトルは、「私の目と心で感じた輪島塗」。まずこのタイトルに、ハートはズキューン

このページを知ったのは、仕事を終えた後で、何で早く見つけなかったのだろうと思うような、質の高いものでした。丁寧に調べてあり、とてもわかりやすい。そして、家業や家族への思いが素直に伝わって来るよい文章です。

輪島塗を知りたいと思った方は、是非、目を通していただきたいなと思います(もっと印刷しやすい状態になっているといいのですが)。

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