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2014年9月 1日 (月)

「かどわきの一皿」

kい丼ものだけとか、スパゲティ一皿で急いで食事を済ませるような場合は別として、料理を味わうために食べるときは、一品ずつ順番で出されるものだ。家庭での食事でも、特にお酒を楽しむときは、先に酒肴的な料理を味わい、最後のしめに食事、汁物は温かくして出すものだ。

以前、和食の「献立」の立て方や、和食のコース料理をテーマにした本に関わったとき、何気なく出していると思った先附には、最初の一品としてお客に何かを印象づける役割があったり、男性客と女性客では料理の飾り付けを変えるとか、シンプルな料理の次には、何か仕掛けのある料理を出すといった、お客を想定し、料理の流れを考えたストーリーがないと献立は組めないのだと料理の先生から教わった。甘いものが好きな人、逆の人、味噌味を中心に組む献立、塩味を基調とする献立など、全体の流れをどうするかがないと、なかなか献立というのは構成しづらいものだそうだ。

それまでは例えば“煮物”、“野菜料理”というようにテーマを流れではなくブツ切りして企画することに疑問を感じていなかったから、それ以降は、料理の流れの表現を少しは考えるようになった。さらに、そうした流れを、本という二次元の世界で表現するのはどうしたらいいんだろうと引っかかっていた。

モワっとしていた私に、「これ、いいなぁ!!」と少しすっきりさせてくれたのが、「かどわきの一皿」という料理の本。

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表紙からわかるように、ライティングやバック、器の色などとても地味だ。華やかな盛り付けもしていない。でもよく見ると、器の質が高いことがわかる。カウンターで提供されたときの印象を大切にしているようだ。

そして、お店に入った光景から、最後、お店を出て振り返るまでの流れでイメージカットを扉と奥付近くに配置し、料理も、酒肴から小鉢、鍋、食事、デザートの順で、お客が料理に出会う順番で紹介している。

味づくりにも主張がある。素材を生かすために、ポン酢を塩味ベースにしたり、お造りを塩とわさびで食べてもらったり。引き算という意味、ここにあるのか。

こんな発想もあり!?と思ったのは、日本料理の華と言われるお椀を入れず、鍋物を組み合わせていること。日本料理なら当たり前と思われている構成を大胆に変えている。その気持ち、説明を読むとけっこう納得できる。きっと賛否両論あることだろう。でも自分の表現として実行しているのだろう。

料理はどれも、組み合わせによって個性を発揮しているものを紹介している。トリュフを使った鍋ご飯はかなり大胆だけれど、牛タンと黄ニラを使った鍋ご飯や柚子とバターのご飯などは、どちらも私には未体験なものの、喉の奥がウズウズしてくる気配。あしらいは最小限。これも引き算。これは料理そのものへの自信を表していると思う。

料理への考えがしっかりあり、お客さんへ伝えたいものが自分でわかっていれば、こうして料理として形にでき、伝統や習慣に対してもの申すことができる。文章の表現があればより精度を高めて伝えることもできる。こうした、料理ごとの時間の流れと作り手の思いをていねいに、誇り高く伝えることができる本を、私もいつか作り上げたいな。

このお店自体は、店でのサービス方法や食材の真偽についていろいろなことが言われているようだけれど…

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