仁阿弥道八展(サントリー美術館)
実は、それほど仁阿弥道八という人の仕事の意味を知らなかった。
今回のサントリー美術館の企画は、仁阿弥道八をテーマにすること自体が珍しいと聞き利き、見たことのある雪笹や雲錦模様の鉢があるならと軽い気持ちで訪れた。
何箇所か、器を中心にした陶芸家の展示を見たことはあったけれど、楽茶碗から青磁まで作品の幅が広く、写しをしても、本歌をさらに上回るかのような写しになっていて、なんと器用の人だろうと思う。
さらに、四条派の画家とコラボした作品も多くあり、プロデユーサー的な仕事の仕方にも感心させられる。
技術があり、センスがあり、自分でクリエイトができ、模倣もできる。陶芸という手段で、のびのびと人生を楽しんだのだろうか。それとも、芸術家ならば避けられない、製作する苦しみがあったのだろうか。
どの作品も、いまの空気の中でのびのびと呼吸している気配。ちっとも古くなく、骨董ではない。しかも、いまのデザイナーがかなわないのではないかと思う、洗練されたデザインと趣向、そして茶目っ気。圧倒されたぁ。もう一度行きたかった。
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