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おいしいもの 外ご飯

2015年6月29日 (月)

平塚 樹勢にて

年齢が増すごとに、「やっぱり和食」と思うようになるのはベタな話。ちゃんとそのレールに乗っかっていることは、健全な自分の老いだ。

年齢を重ねたからこそ得られた、価値ある感覚のひとつだ。

年齢が上がることでわかるもの、見えてくるもの、許せるようになるものがある。個人によってその広がりや理解の程度は違うけれども、以前の自分だったらわからなかったなと思うことの代表格が、私にとって和食だ。味も器も文化も居心地も。

いつの間にか、あんなに物足りないと思っていた豆腐や白身魚を、ゆっくりじっくりと味わうようになり、旬のものの登場に耳を傾けるようになっている。苦味とか渋味も、季節の恵みと楽しむようになった。それは同時に、日本酒の楽しさも連れてくる。

楽しんだ食材は、岩ガキやハモ、カジキマグロ、じゅんさい、イカの塩辛、枝豆、ヒラメ、スズキ…

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初めてのお店ではどこか落ち着けなかったカウンターで、そんなに肩肘張ることなく、大将やおかみさんと話ができようになってる。

おかみさんの下駄のカラコロという音が、BGMのない店で軽やかに響き、それがなかなかいい感じ。

できれば、お椀が頂きたかったが、メニューやコースに入っていない。そういう割烹店もあるのだな。

ゆっくりと楽しみ、連れも満足。私に比べて日本料理を楽しんだ経験はほとんどないけれど、出された料理がどれも、大衆的な居酒屋さんや、スーパーマーケットでちょっとがんばって買うものと段違いであることをすぐ理解していた。

そうした食の楽しみを、これまでだったら贅沢として縁遠く考えていたけれど、刺身ひとつ、焼き物ひとつ、料理人の食材選びと技術があってこそのもの。

湯木貞一さんの著書に、“食道楽は数ある道楽の中でもささやかな方だ”という内容の記述があったのだと思うけど、ウン、楽しむ力がつき、余韻もこんなにあるのなら、楽しむときが来たのかも知れない。

2015年2月12日 (木)

鴨そば 塚田農場(西新橋)

ふと訪れた店が、期待以上の味を提供するのは、充実感のあるひそやかな楽しみだ。

今回入ったお店は、西新橋にある塚田農場が経営するそば店。鴨そばを売り物にする、個性的なカテゴリーのそば店で、虎ノ門砂場がすぐソコ。小諸そばも隣じゃないかといったそば店の激戦区。

この店を経営するのは、多彩で個性的な飲食店を何種類もチェーン展開し、食材の調達法や売り方、人材育成にも注目が集まるAPカンパニー。店づくりはおもしろいけれど、でも、そば店の展開はどうなのだろうと思いながらとりあえず入店、注文した次第だ。

カウンター席のみの店、食券は自動販売機。味気ないかなと思いながら、看板の特製鴨そば890円(せいろ)を注文。4人の従業員で、30席ほどの店をさばいていた。

味わってみて、想像以上の味わいに、正直言って驚いた。まぁ、店づくりから、こぎれいな立ち食いそば店のイメージを抱いていたから、ハードルは低かったのだが、そばの香りのよさとボリューム、そして鴨肉のやわらかさは、これまでに食べたことがないタイプで強い印象が残った。

つゆは…カツオだしや醤油の味が充実したものとは言い難かったが、でも、充分だろう。

行った日は、そばは伊吹在来、最上在来と表示があり、手打ちそば店でよく聞く銘柄ではない。手打ちとは掲げていないので、たぶん機械打ちなのだろうけれど、でも、きちんとしている。細めに切ってあり、ボリュームはそこそこあり、女性や大食漢ではない男性ならば満足することだろう。のどごしもよく、香りも伝わってくる。

鴨肉の出し方もよかった。通常は、つゆで軽く煮てあることが多いが、ローストビーフのように中はレアに焼いた鴨肉で、それをスライスして4切れを皿盛りで提供する。その肉を、アツアツに保ったつけ汁にしゃぶしゃぶを泳がせて熱を加えてから味わうという趣向だ。

調べると、この鴨肉は、山形県最上郡に直営鴨舎を設立し、生産しているとのこと。国産鴨の自社生産とは発想がAPカンパニーらしい。昨年5月から雛の飼育を始めたばかりという。

鴨せいろは、たいてい、1500円から2000円くらいはする。それを、1000円以下で、しかもゆで方、水切り、のどごしたちゃんとしたそば、やわらかさに驚く鴨肉で味わえるのだから、CPはなかなかではないかしら。

新そばの次は、冬の気配が近づく頃、鴨せいろを楽しむ私には、楽しみになりそうなそば。

西新橋店は2月末にリニューアルとのことで、この後、商品や価格、そして店展開はどうなるかわからないけれども、増えて欲しいなと思う。

あと、アルバイトだろうか、従業員の若い女性と男性の方が、とてもいっしょうけんめいでにこやかだったのが、ますますお店をいい感じにしていた。

飲食店の仕事は、時間も条件もなかなかよくないだろうけれど、きびきびとにこやかに働く人たちがいるお店だと、持っている以上の味に感じるものだと、歳を重ねて思う。

お客さんたち、せめて、「ごちそうさま」と言ってお店を出ようよ! なんか最近、お店の人の接客がよいのに、お客側の無愛想な態度にイヤな気分になることが多い。

2015年2月10日 (火)

ビストロ集(町田)

この2年ほど、ビストロやバルのといった業態の勢いを感じる。チェーン居酒屋の人気がいま一歩と思ったら、新しい業態で、人々はしっかりお酒を楽しんでいるということか。

そんなことを思い描きながら、ようやく念願のビストロ業態のお店でワインや料理を楽しんだ。

歩いていける距離にないのは残念だけれども、これもよい機会。

お店は、個人の経営だろうか。こじんまりしたビルの2階にあり、席は決して多くはない。

特徴は、ワインの種類の多さだろう。たとえ10種類でもいったい何が何?という私には、数ページにまたがるワインリストは圧巻。う~ん、ワインに詳しい友人を誘うべきだった。

そして、後から知ったことだけれども、チーズの品揃えもかなりのものらしく、食べログなどでは高評価らしい。

ビストロというと、ワイワイ、ガヤガヤ、料理はたっぷりというイメージだったが、この店はぐっと上品。フレンチの店とまではいかないけれども、静かに、おいしいものをじっくり探してゆっくり語りたい人と行くような印象だった。

料理は、決してボリュームがある方ではなかったけど、きちんと丁寧に作られていて、味はよかった。5~6品を注文し、ハズレはなかったのも嬉しい。

もうちょっとフレンチ色が強いのかなと思ったけれども、イタリアンも得意とする様子。料理は少しは知っていると思っていたけれど、聞き慣れない、見慣れない料理ばかりで、不勉強を感じだ。

スタッフは、ワインに詳しくない私や、ビールばかり注文する相方に変わることないにこやかな接客で、気後れさせるようなことがなく、ありがたかった。

ふたりでしっかり食べ、飲んで1万円強。

ワインが好きでじっくり選びたい、料理もおいしいものをゆったりとした雰囲気で味わいたいという友人を連れて行きたい。

2014年11月26日 (水)

手打ちそば処 鎌倉武士

11月となると、新そば!です。
昨年の秋、新そばを何回も食べ、すっかり、11月と来れば「新そば!」と反応する体質になったようです。

で、行ってきたのが、鎌倉の手打ちそば店「鎌倉武士」。たけしと読むそう。鎌倉宮の奥、覚円寺に向かう道沿いにあります。

古い一軒屋を改造した、落ち着いた雰囲気のそば店です。

しばらく玄関先の椅子で待ち、ダイニングに通されました。10人くらいが座れる大きなテーブルがひとつ席を仕切られたり、「十割しかありませんが、よろしいでしょうか?」と有無を言わせないような説明に、ノーとは言えない緊張感が漂います。

味わったのは、十割、1200円。他には、そばとろ、鴨せいろなどがあり。天ぷらはなし。混んでいるみたいだから、と他の人に合わせてしまった。遠慮なんかしてたらいけないけれど、ちょっと高めだったし。

三連休の中日。12時台だったので、続々とお客さんが入ります。ご主人がひとりで調理も接客もこなしているよう。忙しいのは当然です。人手を確保するのはかなり難しいのかしらん。

そばは、コシがある、細切りの、のどごしのよいおそばでありました。産地は特に書いてはありませんでした。そういえばご主人、「最初は何もつけずに召し上がってください」とわざわざ声を掛けてましたっけ。いろいろとこだわりがありそうな気配。

そばのボリュームはまあまあ。茹で方も水切りもグー。器も好みです。そばは、茹でで100g以上ありました。ただ、薬味は、ねぎ、わさび、大根おろしの3点が付くものの、直径5mmの円に入ってしまう量。いったいこれは何だろう。

実は、残念なことに、この民家の独特の匂いなのか、ナフタリン臭がずいぶんと強く匂い、そばの香りはどこか行ってしまいました。つゆの味もなんかよくわからなくなってしまった。どなたかの衣類の樟脳の匂いだったのかも知れません。まさか、そんな匂いによって、そばの風味がかき消されるとは。のどごしはバッチリだったのですけどネ。

大好きな鎌倉の町は、何件もそば屋さんがあります。どのお店も、長蛇の列。また来なくては!

まずは、今年の新そばに乾杯です(お酒、飲みたかったな)。

2014年10月12日 (日)

ソバリストランテ ナール(銀座)

まるでパスタのように蕎麦をメニュー化している店。ソバリストランテ ナール。カフェのような軽やかな外観で、可愛らしいような印象だ。女性客が喜びそう。

かつて蕎麦の本を作ったとき、そばにオリーブオイルやバジル、ニンニクをからめたパスタ風のものを撮影したことがあった。そのときは麺は更科蕎麦だったが、いくらでも食べられるようなクセになるおいしさにびっくり。もっと食べたかったと今も思っているほどだ。このお店でも、そんな味に出会えそうで、行ってみた。

蕎麦中心の中に、イタリアン風のものがあるのかと思ったらまるで違った。屋号のとおり、“ソバリストランテ”で、イタリアンの中に蕎麦があるといった構成だ。だけど日本酒を充実させている。

いろいろ迷い、基本の「もりそば」をオーダー。このあと仕事があり、ニンニクは控えるべきことに途中で気付いたからだ。しまった…

もりそばは、もり汁に山椒入りのオリーブオイルを別添えして、「汁に加えて味わってください」とすすめられる。器は白の陶器で、たぶんパスタプレート。蕎麦は四角い皿。

蕎麦は、粉は濃いめの色。太さは基本のタイプ。手打ちの場面は見なかったけれど、店の一角で手打ちをしているようだ。この日の粉は、会津産とのこと。

最初は山椒入りオリーブオイルは加えず、もり汁だけで味わってみた。わさびやねぎ、大根おろしは添えてない。もり汁は醤油もカツオだしもきいた、基本的なわかりやすい味と感じた。

次に、おすすめに従い、山椒入りのオリーブオイルをもり汁に加えて味わってみた。これは好みの分かれる味。オリーブ油と山椒の香り、酸味が加わり、かなり個性がある。だけど、蕎麦を日本蕎麦らしからぬ味で楽しみに来る客が、この店に来るのだから、これがこの店のスタンダードとして受け入れられるのだろう。

つくづく、「ジェノベーゼ」をオーダーすればよかった。バジルやニンニクのからんだあの味への欲求が満たされない。また次回!

2014年9月 8日 (月)

トルコ料理 イスタンブール 銀座コリドー街

いつの間にか私の脳は、世界三大料理は、フレンチ、中華、日本料理と思い込んでいた。

昨日たまたま行った銀座コリドー街の「イスタンブール」のランチがおいしくて、お店の雰囲気もよくて、楽しく記録しておこうと思ってお店のことを調べたら、“世界三大料理のひとつのトルコ料理”というフレーズが、いろいろなHPから何箇所も出てくるではないか。

料理に関わることが多い身には、けっこう恥ずかしい。

たぶんそんなに有名ではないと思う。でも味わってみて、なるほど。そして調べてみてフムフム。

神戸の「ムラート」というトルコ料理のお店のHPによると、
14世紀から20世紀初頭まではオスマン帝国として地中海周辺を支配していた歴史ゆえ、中央アジアのトルコ民族の伝統料理と近隣国の料理が混じり合い、中国料理や遊牧生活の民族の文化も加わり、独特の発展を遂げたそうだ。そして、野菜や果物が豊富なことや、マイルドな香辛料使いも特徴らしい。

私がいただいたランチは、スープ、サラダ、ミートボールの煮込み、ピタパンと、組み合わせとしては普通だったけれど、どれもひと味風味が違う。スープはチキンのだしがきいていて塩味とも何味とも決めかねる味。サラダにはパセリやネギがところどころ使われてアクセントのある風味がおいしい。ミートボールは、ほのかにフェンネルや何かのスパイスがちらりと使われていて、洋食とは違う。記憶に残る味だ。盛り付けもとてもていねいでまじめ。

とてもすてきだなと思ったのがインテリア。壁にはトルコのものらしい花模様のタイルがぎっしり。青と赤が深くて美しい。壁紙(織物?)も同じ柄。聞いたら、チューリップなのだそうだ。調べてみると、トルコの国花で、トルコが原産国という。そして赤いガラスが可愛らしい照明、上品な陶器の皿、すわり心地のよい椅子など、センスのよい友人の家に呼ばれて行ったような、あたたかい雰囲気でいっぱいだ。

今度は一品料理をいろいろ味わいたいなあ。ずらりと並んでいたワインとともに楽しみたい。
いつか行ってみたいと思っていたトルコという国。このお店の印象のよさで、行きたい国、料理を食べたい国として順位が確実にアップした。 

2014年8月28日 (木)

上野 やぶそば

柴田書店のそば打ちの指南役で店主が登場しているお店。明治25年創業で、暖簾の古さが際立つ。でも、決して敷居は高くなく、下町のそばを出すといいながら、モダンな手打ちの江戸そばのお店だ。

訪れて、店づくりにまず驚いた。改装してまだ新しいのだろうか。老舗をイメージしていたら、新しく、そば猪口のディスプレイがおしゃれ。そばの打ち場は広々。都内であんな風にお客に見せられるそばの打ち場を持っている店は、そんなに多くないんじゃないかな。そして打ち場をぐるりと巡るガラスがぴかぴか。テーブルや椅子は特注品なのだろうか。角がなく、塗り物風なのだけど、高級感というよりやさしさを印象づけるモダンなデザインだ。

そばは、けっこう細めでのどごしがよいものだった。やぶ系の看板なので量が少し心配だったが、ちゃんと一人分。3口で、ということはない。専門誌によると、二番粉をわざわざ使い、卵水を加えて打っているそうだ。そのせいだろうか、コシがしっかりしている。つなぎは外2とのこと。

つゆは、藪系にしては、濃くない印象。もちろん薄いのではないが、布恒さんとかを味わった後だと、やや意外に思えた。個性がそれほど強くないことは、長く愛されている飽きない味ゆえだろうか。

上野という気取りのない場所柄、客層は幅広く、老若男女を取り合わせ、せいろ1枚の人、そば前に日本酒を楽しむ人など、各自が思い思いに楽しんでいた。接客は、老舗の品のよさとそばならではの気さくさを兼ね備え、せわしさがなくて居心地がよかった。

天ぷらは胡麻油を使っているのだろうか、カラリとしているが、香りが濃厚。もうちょっとそばの量があるとよかったが、天ぷらの風味のおかげでおなかがいっぱいになった。

種物のそばも魅力らしい。今回は猛暑の中だったのでとても種物まで手が出なかったが、温かいそばが恋しくなる時期にまた楽しみたい。

2014年8月14日 (木)

祖谷そばの旅

機会があれば行ってみたいと考えていた徳島の祖谷そば。香川への家族旅行の際に寄ることができた。

祖谷と言えば、白川郷、椎葉と並び、日本三大秘境のひとつと言われる山深い場所。平家の落人伝説で知られている。それだけでは家族をなかなか誘いにくいが、景色がきれいで蕎麦がおいしいと言えば、ドライブ好きで蕎麦好きの我が家は行動が軽くなる。

私が祖谷蕎麦を知ったのは、仕事関連で地方の蕎麦全般を調べたことがきっかけだった。うどん王国の四国で、唯一の蕎麦処と言う。

何軒かお店がある中で、行ったのが、まず、西祖谷にある「祖谷美人」。狭い場所にあったのを、峡谷が見下ろせて広めの場所に移動したらしく、お店は広く、テラス席からの眺めはすばらしい。
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そこで味わったのはかけ蕎麦とあめご(ヤマメ、アマゴとも言う)

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家族は普段食べ慣れているもり蕎麦にしたが、ここ祖谷では、蕎麦と言えばかけのようだ。通常、蕎麦というと茹でて水洗いした麺をつけづゆで味わうことが主流に思えるけれど、地域によって違う。薩摩蕎麦で知られる鹿児島もそうで、蕎麦というと温かい汁を張る蕎麦の方が中心だとか。

汁は透明に近くて醤油の色はかなり薄い。麺は少し平たい。具は油揚げとかまぼこ、ねぎが定番。

汁も蕎麦も香りがしっかりあり、かけ蕎麦ってこんなにおいしいんだとしっかり主張する。汁だけでも味わってもらいたいと家族に味見をしてもらったら、「こんなにおいしいならかけ蕎麦にすればよかった!」と悲鳴のような感激ぶり。よかった、よかった。アメゴもパリ、しっとりとしておいしい。私は、鮎よりイワナ、アメゴ派である。

お店の方に尋ねたら、汁のだしはいりことのこと。私のように関東出身の者にとってはうどんつゆで食べたことのある風味。だけど、ここの蕎麦に合い、何杯でも食べられそう。カツオ節とサバ節の濃厚な風味と醤油のきゅっとした味で食べるのがかけ蕎麦と思っていた印象がざっくり打ち破られた。汁の味が忘れがたい雷門の「並木藪」のかけそばに決して劣らないというのが私の印象だ。

せっかく祖谷に来たのだからもう一軒と、そこから20kmほど離れた場所にある東祖谷の蕎麦店にも行くことにした。仕事で電話だけだけどお世話になったお店。「山菜加工センター」との看板も持つ。店の奥には「そば道場」があり、そば打ちを教えてくれる。

家族も、せいろを1枚食べただけだからハシゴできると言うので欲張って出発したら、これが国道!?というすれ違いが大変な道を進むことになった。運転手がキレそうな様子の中、ハラハラし通し。なんとか無事に到着し、おかげで少しおなかがすいた気がする。

ここでもかけを注文。
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先の一軒とは多少風味が違い、汁は少し甘め。だしは、宗田節と昆布という。手に入りやすいものを使うんだろうな。もっともっと昔なら、イワナやアメゴを干したものをだしに使ったのだろうか。
経営者の方に、昨年電話で話をしただけだけど、お世話になった旨をごあいさつすることもできた。覚えていてくださってほっとした。電話だけの取材はあまり好きではない。直接会え、その方の蕎麦を味わうことができ、心にモヤモヤしていたものが少し軽くなった。

お店は家族でやってらっしゃる様子で、お孫さんがきびきびと手伝っている様子がとても微笑ましかった。

こんな遠いところまで家族を巻き込んで…と済まなく思っていたけれど、来てよかった。蕎麦はやはり、何かをつなぐパワーがある。たった1杯のかけ蕎麦でも。

2014年5月12日 (月)

横浜ラーメン 吉村家

とうとう行った、横浜ラーメンの総本山と言われる「吉村家」

横浜から歩いて行けるのがうれしい立地。11時開店で、すでに2回転目の待ち客となっていた状態に驚いた。あとから調べると、40人とか待つこともあるようで、10人そこそこの私たちは1開店時間に行った甲斐があったようだ。

待ったと行っても15分ほどで、ざっくりと5~10人くらいをまとめて入れ替えるので、工場みたいに効率的な雰囲気ながら、ゆったり感がある。

ラーメンは、まとめて15人分くらいを作る。調理台に丼をずらりと並べ、固めに茹でた麺とかオプションの具とかを、ところどころに入れていく。丼の位置により、どの席の客の分かがわかるようになっているらしい。

豚骨醤油のスープの出汁は、香りがよくてカツオ節の出汁のような魚介系の風味が混ざっている。麺は太く、具はほうれん草ではなく、小松菜のようだった。海苔3枚が大きいのにびっくり。

とりわけ印象に残ったのが、スープが塩分は強めだが、コクはあるのに脂っこくないこと。香りもコクも深くて、厚みがあり、鼻から抜ける感じがいい。

チャーシューもよかった。他では味わったことのない、香ばしさ。これなら追加したい。

創業は1974年。横浜ラーメンの家系という大きな流れが、この店が始まりだそうだ。今では横浜ラーメンを名乗る店は、直系店はもちろん、亜流も含め、300店くらいあるとか。誕生から40年か。記念イベントとかあるのかしらん。

超人気店にもかかわらず、店のシステムにドキドキする初めての客にわかりやすい説明をしてくれるのがとてもよかった。食券の購入や麺やスープの好みなど、ゆったりと説明してくれて、客を急かす感じがないのがよい。

家に帰ってから、TVでボクシングの試合のニュースを見ていて、ふと思った。吉村家の店員さんたち、ボクサーみたいにどこか寡黙で、でもどこか迫力がある雰囲気の人揃いだった。

あと、カウンターで10円玉を置いているのが気になったんだけど、調べてみたら、形くずれの茹で卵のオプション注文分だった。数年前は2円だったらしい。せっかくあったのに、知らずに悔しい。

ラーメン1杯650円。値段も嬉しい。きっとまた行く。

2014年5月 6日 (火)

水舎(長野 山形村) & 霧が峰

町興し、村興しというとB級グルメがすっかり定番としてイベントにもなり、全国的に人気を得た。

蕎麦の世界では、蕎麦街道というものが昭和50年代後半から全国各地で活発に存在を強め、いまでは全国に広がっているようだ。

山形県の、村山そば街道・最上川三難所そば街道・新庄そば街道・大石田そば街道、宮城の七ヶ宿そば街道、栃木の粟野そば街道、熊本県のそば街道、佐賀県三瀬のそば街道、兵庫県の奥丹波そば街道、兵庫県但馬豊岡のそば街道、福島県の宮古そば街道・磐梯吾妻そば街道…もうきりがない。検索すると、北海道から熊本まで全国津々浦々。行ってみたいところばかり。

この5月の休みに、初めて蕎麦街道で蕎麦を楽しもうと訪れたのが、長野県山形村の唐沢そば街道。唐沢そば街道は、松本市の隣にあり、約1kmほどの車道を中心に、店が9店、点在する。どこも客席はゆったりとしたお座敷のようだ。

この地での蕎麦の歴史は、江戸時代からと古い。唐沢川の水を利用した水車を何軒か共同で粉挽きをするようになり、地元の祭りと蕎麦作りが合わさって評判となり、明治時代に最初のそば店ができたそうだ。

いまの時代、蕎麦は贅沢な食べ物の面もあるけれど、昔、蕎麦が売り物ということは、米が採れないことでもあり、厳しい土地柄をあらわす。蕎麦は一般的に小麦や卵、布海苔、大豆などをつなぎとするけれど、十割が売り物になっている地域は、つなぎとするものさえ採れなかった土地柄であったりして、調べるほどに少し切なくなる。でも、そういう文化をつなげてくれたおかげで、いま、全国の蕎麦を、地域が持つ豊かな食文化のひとつとして楽しめる時代になった。

早朝5時に出発し、道が混んでいなかったので一般道だけ10時過ぎに店に到着。それでもすでに滋賀ナンバーの車の先客がいて、店の入り口で待っている。すごいなぁ。GWって。セッティングするだけで店まで案内してくれるカーナビ君もすごい。

今回たずねた水舎は、粗びき蕎麦や十割の手打ち蕎麦が売り物。ホシが入っていて、とても細く、粗びき蕎麦はのどごしがよい。その蕎麦打ちのレベルゆえ、評価される店なんだろうと思った。麺の印象は、荻窪の本むら庵と似て、加水が多めのように思えた。十割は、粗びきよりちょっとのどごしのよさが落ちる。どちらもボリュームたっぷりで、都内の手打ちそばの量を知っている身には本当に嬉しい量だ。

蕎麦をキンキンというほどに冷やして締めているのがちょっと冷たすぎると思うけれど、唐沢川の水が冷たいのだろうから、自然なのだろう。

汁は、カツオと昆布を使っているという。戸隠そばは汁がかなり甘く薄めなのに対し、この店は濃くて甘さは抑えめ。好みが分かれるだろうが、かなり細めのこの店の蕎麦には合うのうだろうな。

蕎麦といっしょに、一般的な盛り合わせと山菜、穴子の3種の天ぷらも注文。山菜の内容を尋ねたが、「わからない」という答えはちょっと寂しい。他のお客にも聞かれないのかなぁ。それと、衣が天ぷら粉のようなガリガリした食感で、ちょっと固め。

そうだ、注文するとすぐに漬物も出してくれる。この日はたくあんと野沢菜。スーパーで買う、旨味調味料味の野沢菜しか知らない私には別のものに感じられ、どんどん進む味。お茶請けに漬物を出す長野県の文化は、塩分がどうのこうのというより、おいしいから出すんだとひとりで納得してしまった。蕎麦もよかったけれど、漬物も忘れがたい。

朝10時に店の前で待つなんて初めての体験だったけれど、お客が次々と湧きだすようにやって来て、11時にはもう満席だった。あとでHPを見たら、粗びき蕎麦も十割蕎麦も量に限りがあり、たぶん、のんびり来店していたら売り切れになっていたことだろう。

GWは早起きして蕎麦店へ。来年も行けるといいな。

そば店の前後は、5月の山梨、長野を楽しんだ。

山中湖から、中央アルプス(?)を臨む。朝6時というのに、多くの人が写真とってるぅ。男性ばっかし。

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水舎の駐車場にて。長野では、豆桜がいまを盛りと咲いている。

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りんごの花は、なんて可憐なんだろう!

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霧が峰の八島湿原。雪がまだ残ってるぅ。あと1ヶ月もしたら、一面草が芽吹いて、爽やかさがあふれるのだろうか。

湿原を出たら、霧が峰高原、車山を抜けて岐路に。霧が峰高原ではグライダーが空中をゆったりと滑空しているのを初めて目撃。グライダー自体の流線型の美しさ、周囲の山の美しさと高低さから生まれるダイナミックな風景が、いまも忘れがたい。

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河口湖大橋にて。この日の富士山、美人だった。このあと、かつて見たことのない246号の渋滞を目撃し、足柄峠を回ることに。異様にスピードが速く軽いチューンナップ車に囲まれながら、必死に峠越えをし、22時帰宅。

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